朝と夜の狭間

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朝と夜の狭間

 カーテンの隙間から真っ暗な窓の外を見つめる。周りの家はほとんど寝静まり、反射して見える時計の針は3時を指している。  この底の見えない闇は、朝なのか夜なのか。目の前のパソコンに文字を打ち込むことも忘れてぼんやりと考える。  ふと、横から手が伸びてきて机の上に湯気の立つホットミルクの入ったマグカップを置いた。 「原稿が進まないならそろそろ寝ろ」  呆れたようにそういう夫に、午前3時は朝なのか夜なのかを訊ねる。するとこう返ってきた。 「起きたなら朝。起きてたなら夜」  なるほど、それは一理ある。あたしが感心したように頷いていると、あまり夜更かしするなと頭を撫でられた。  甘いホットミルクを口に含むと、瞼が重くなってきた。
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