弐拾七時頃の空に。

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「いえ…。街を眺めに来ただけです」 進藤は女たちに微笑みながら答えた。 「私たちと同じですね…」 女はニコッと笑うとそう言った。 そして三人は気配を感じて振り返る。 すると三人の若い男がコンビニの袋を抱えて屋上へとやって来た。 「先客いるじゃん…」 一人の男がそう言って頭を下げた。 高そうなスーツを着た汗だくの男がフラフラとコンクリートの床に座り込んだ。 「もう歩けねぇよ…」 進藤たちは顔を見合わせて笑った。 「今日は客が多いな…」 進藤がそう言うと、女は頷いて、酒を一口飲み、 「そうですねぇ…」 と言った。
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