弐拾七時頃の空に。

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「誰かが始めないと新しい事は認めてもらえない…。それが初めは犯罪まがいだとしても、認められれば新しい事として人々にも認識される。そうやって何事も進歩して行くんだ」 邦雄は圭二に微笑むとクレーンを動かして、地面に立てた筒の中に六尺玉を入れて行った。 「この後、しょっ引かれるかもしれないが、良いのか…」 邦雄は自販機で買った缶コーヒーを圭二に投げた。 圭二は缶コーヒーを受け取ると満面の笑みを見せた。 「大丈夫ですよ。新しいモノの為ですから」 邦雄は圭二に微笑んだ。そして腕時計を見た。 「よし、午前三時ちょうどに打ち上げるぞ…」 そう言った。
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