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放課後、忘れ物をとりに教室に戻った七月は、階段のところで、上から下りてきた三橋とぶつかった。
段差もあって、三橋のブレザーのボタン辺りに激突してしまい、鼻を押さえる。
「ナナツキ!」
と三橋に呼ばれ、
「なーつーきーっ」
と言いかえたとき、
「ちょうどいい。
ちょっと付き合え」
と三橋が腕をつかんできた。
は? と思いながら、引っ張っていかれる途中、音楽室から出てきた吹奏楽部の女子たちと出くわした。
目が合う。
彼女たちの視線は、七月の腕を掴んでいる三橋の手に向けられていた。
「三橋っ、離してっ」
と七月は小声で叫ぶ。
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