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「隆ちゃんは、私の親戚なのよ。
お母さんの妹の嫁ぎ先の弟の子どもなんだけど」
と言うと、彼も時子と同じように眉をひそめていた。
「……もう帰るのか?」
と槻田が訊いてくる。
「ええ」
「送ろうか?」
と問われ、結構、と七月は背を向ける。
図書室に戻ろうとすると、
「ま、三馬鹿トリオがそろってるなら、安心か」
と呟くのが聞こえてきた。
いや、このメンバーで安心な感じは何処もしないが……
と思いながらも、七月は図書室の戸を開ける。
中に入る前、振り返ってみたが、槻田はさっさと反対側に向かい、歩き出していた。
このやろ……。
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