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三橋は本を見ながら、大真面目な顔で言ってくる。
「生贄は美しい処女と書いてある。
失敗したら、お前が美しくないか、処女じゃないかのどちらかだ!」
悪魔が槻田先生を殺す前に、私がこいつを殴り殺そう、と思いながら、チラとスマホを見る。
おじさんから電話がかかるのは本当なので、さっきから何度も時間を確認していたのだ。
もう外は暗く、少し強くなったらしい風に揺れる木々の枝葉が、図書室の窓を叩いていた。
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