えっ? 魔法陣……?

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 七月は三橋の足許を見て言った。 「そういや、あんた描き上げてから、一歩も魔法陣の中に入ってないわね」 「だって、怖いじゃないか!」  本当にロクな奴じゃないな……と思いながら、七月は言う。 「だいたい、学校に置かれてるような本で、悪魔なんて呼び出せるわけないでしょ?  それに、なんでそんなに融通きかないの?  別に人間を生贄にしなくたっていいじゃない。  料理だって、レシピにある材料がなければ、他のものを使うのよ。  なんか変えなさいよ」 「何がレシピだ」  そのとき、途切れ途切れにニュースを読む声が聞こえてきた。  少し進んでは、同じところに戻ったり、まるきり音声が途切れたりしている。  振り返ると、いつまでもくだらない言い争いをしている自分たちに呆れたのか、三村は窓辺の棚の側で、スマホのテレビを眺めていた。
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