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「うちの学校、電波いまいちだよね」
と呟く三村を睨みながら、三橋は彼に近寄ろうとして、うっかり魔方陣を踏む。
その瞬間、七月はパサッと机に置かれた黒魔術の本をなんなとなく手に取り、なんとなくそのページにあった文言を読んでいた。
慌てて、三橋が魔方陣から出る。
「俺が生贄になるだろがっ!?」
「あんた、美しくもなければ、処女でもないじゃないじゃない」
と言い返したあとで気づく。
「あら。
これ、途中で、止めちゃいけないって書いてある」
別にこんなもの信じているわけではないが、儀式の中断はよくないかもな、と思い、ついでに読み続けた。
三橋も仕方なく三村の横に行き、聞いている。
静かな夜の図書室。
聞こえてくるのは、だらっと読む気もなく読む自分の声と、ぷつぷつ、途切れ途切れになっているワンセグの音。
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