七月の日常 ~始業式~

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 三村も居なくなったあと、時子が呟く。 「惜しいわよね、三橋くんて。  顔も頭もいいけど、その変人っぷりで台無しっていうか。  三橋くんの中に、三村くんが入ったら、いい感じになるかも」  まあ、あの顔から陰険さが抜けたら、そう悪くないかもとは思う。  女形的な美形とでもいうか。 「でも、それなら、まんま三村くんでいいんじゃない?」 「いやあ、私は、スレンダーな人の方が」 「三橋だって、中年になれば太るわよ」  三村くんの頬、つついたら気持ち良さそうだが、と思ったとき、目の前の廊下を歩いてきたものが居た。  その姿に気づき、時子が小さく声を上げる。 「でもやっぱり、槻田先生よね。  三橋くんとかと違って、男らしい感じだし」  乙女は移り気だ。  怒っていいぞ、三橋……。
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