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産まてくる子
「……ふぅ」
私はソファーに座り、ひと息つく。そしてお腹をさすった。
私のお腹には子供がいるからだ。今日病院に行ってきて発覚した。
……簡単に言えば妊娠である。
怠さや微熱などが続き、会社でも業務に支障が出てきて心配になったので病院で診てもらった所、妊娠二ヶ月であることが分かった。
子供ができて嬉しい反面、私に育てられるかとか、仕事のこととか、嫌な話だがお金のことなど様々な不安が頭が過る。
第一に片付けないといけないのが夫に妊娠のことを伝えることだ。夫は子供を欲しがっていたので喜ぶだろう。
今日は帰りが遅いらしいが、起きていて待っていよう、メールや電話で伝えるより直接言った方が良い。
夜十一時、夫が帰ってきて私が妊娠した旨を伝えると、夫は泣きながら喜んだ。
無理もない、結婚して三年経ち中々子供が授からなかったからだ。
「良かったな」
夫は私を優しく抱き締める。
「ええ……」
私もつられて涙を流した。母親になることは大変なこともあるだろうが、頑張りたい。
不安は消えないが、この人となら子供を育てられると思った。
私はお腹の子を守りたいのと、無事に産まれてくることを願った。
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