あとがき(ネタバレありなので注意)

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あとがき(ネタバレありなので注意)

 あー、完結まで何とかいったぁ……。  これが終章まで書いた私の第一声です。筆無精でプロットや設定で満足しがちな私が、曲がりなりにも書ききったのは奇跡だなと。だって趣味だもん、依頼ではないのでやめたきゃやめれるわけでっていうのが本音。  とはいえ、この作品はどうしても書きたかったので、自分なりに頑張りました。今後は加筆修正する話を加筆修正し、その作業が終わり次第、節名を順次変更します。修正しない話もありますが、いずれにせよ節に名前がついた話は誤字脱字以外ではもういじらないということはここで申し上げます。  加筆修正を行った場合はひとことコメントも変更していきますので、更新したんだなという目安にしていただければ幸いです。  ここで少し個人的に驚いたこと、嬉しかったことの報告を。  投稿後、一ヶ月たった頃に「2019/6/13付新作セレクション」に掲載されたことには本当に驚きました。  たぶん皆様のおかげかと思います。読んでくださって、本当にありがとうございます。完結までの大きな原動力になったことは間違いありません。あの日は泣いて喜びました。本当に本当に、ありがとうございます。  さてここからは内容に触れますので、あとがきから読む派だけど、ネタバレは嫌だって方は読了後にお願いします。  本当によろしいです??  本当によろしいですね??  よろしいですね?? では入りますよ。 ◇◇◇ 「無機物の花嫁」の意味は二つ持たせたかった、それが今回のお話が生まれたきっかけです。  ひとつはストレートに「無機物」と揶揄される皇太子グレイの花嫁という意味、そしてもうひとつは花嫁であるリドヴィナ本人が人形であり無機物だったという意味です。  当初この話はグレイの方を人形にして、リドヴィナの方が人間という構想で進めていました。視点もリドヴィナ側で進めておりましたが、上記の発想に至りこのような話の流れになりました。もしリドヴィナが人間でグレイが人形だったら? 少なくともこのような終わり方にはならなかったかと。また違った終わりを迎えたと思います。  そして二人が結局は別離を迎えるというのは発想段階で決めていました。世の中には絶対に覆せない法則がある、たとえ魔術があってもそれは同じだと私が考えていたからです。  この作品の中で魔術は、現代でいう自動ドアや自動点灯の照明、防犯カメラや録音機器などを置き換えるためのツール、あるいは日常生活を便利にする手段として使わせていただきました。グレイの水を操る魔術くらいですかね、演出チックに使ったのは。何でもかんでも魔術で解決するより、魔術の限界があった上で、何をどう選択するかを登場人物には悩んでほしかったという思いがありました。  肝心の帝位継承については曖昧模糊に終わります。この先グレイがどうなるのか、本当にアルトの子を養子にできるのか、それとも割りきって新たな花嫁を迎えるのか、そこまではまだ私にもわかりません。そんなに短期間で決着のつくものでもないでしょう。  グレイがそんなお家事情だったので、宮廷から舞台は動きません。グレイがのこのこと旅に出ることができないのは作中でも書いた通り。ファンタジーと言いつつ、ワクワク冒険物語とはいきませんでした。やっぱり皇太子である以上、最低限の責任を伴ってほしかった。  いろいろ書きましたが、この話は「愛を知らない皇太子と、秘密を抱えた姫君の物語」に変わりはありません。だからこそ物語もそこで終わりにしたかった。その後の二人がどうなったかは、いつか語られるかもしれないし、そうではないかもしれない。  ともあれ完結させることができたのは、ひとえに皆様が読んで応援してくださったおかげです。  初めて書いたシリーズもので拙い文章でしたが、お付き合いくださって、本当に本当にありがとうございました。  もしよろしければ、また別の作品でお会いしましょう。  2019/07/27 チロル
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