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「怖い?」 「知られたら、魂とか吸い取られそう。」 「ふっ、俺は死神か?」 「似合いますね。」  言うなぁ、と天を仰いで笑う。  そういう仕草の似合う男だ。 「じゃあ……そうだな。ハスネって呼ぼうか。」 「ハスネ?」  純粋にはてなマークが浮かんで、素直に聞き返す。 「蓮根のきんぴら、好きそうだからさ。」  そうは言っても『レンコンくん』とは言いづらいだろ?とニヤリと笑った。 「……じゃあ、こっちはヒジカタさんって呼びます。」 「ヒジカタ?」  新撰組?と頭に浮かんだのが目に見える。  答えは教えず、ざる豆腐を頬張った。  フロントが勧めるだけあって、ここの店は旨いものばかりだ。ざる豆腐もコクがあって美味しい。1人こっそり舌鼓を打った。 「本当に旨そうに食うな。こっちはその顔で食えそう。」  ヒジカタ氏がヒジをついて、色気を増した瞳で軽口を叩く。どこまで本気なんだろう。 「変な事言うのはやめて下さい。」 「美人を見たら口説くのは、男の本能なんだよ。」 「酔ってるんですか?」 「アンタにね。」 「……。」  なんなんだこの男は。  
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