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プロローグ
「ハリー王子!しっかりしてください!」
老執事オリヴァーは病床に伏せるハリーの手を握り、必死に呼びかける。しかし呼びかけも虚しく、徐々にその表情は陰っていく。
それでもハリーは、苦しそうに息を吸いながら言葉を紡ぐ。
「俺は今、とても幸せなんだ。俺の代は、戦争も災害もなかった。そんな時代を生き、皆に看取られながら逝けるなんて、俺は幸せ者だよ。
欲を言えばもっとずっと、この国を見守っていたかった。それが唯一の心残りだよ」
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