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金の体
目覚めると昼下がりの広場だった。噴水の水と戯れる子ども、犬を散歩させている貴婦人、ベンチで談笑するカップル。そのどれもが、いつもの街並み。
「やぁ、目が覚めたかい?」
声のする方を向くと、そこにもよく見る顔があった。毎朝、鏡の前で見る顔だ。
(うお! 俺が居る!?)
驚いて声が出そうになる。
しかし、よく見るとそれは俺ではなく、俺の姿をした像だった。体中に金箔を纏い、両目にはサファイアが埋め込まれている。
「よく出来てるなぁ。特に目の部分なんか本物よりもかっこいいぞ」
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