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神に魅入られた者は、モンスターと心を通わせることが出来る。
そんな言い伝えが、この世界にあった。
全ては数百年前の事。
「俺」は、そんな話など、これっぽっちも信じちゃ居なかった。
緑色に染まる長い草を掻き分けて、「俺」は、森の奥へと進んでいく。
母が不治の病に倒れ、村の森の奥深くにある「精霊の泉」に「神秘の水」を汲む為に道なき道を進んでいく。
手は既にボロボロで、所々切り傷がある。
深いものもあれば、浅いものもある。
痛みを堪えて、血の滲む手を必死に使い、草木を掻き分けた。
既に足も限界を迎えており、口内は鉄のような血の味となった。
視界が乱れ始める。
小一時間歩き続けた。
そして、やっとたどり着いた先には、華麗なる青色に染まった泉があった。
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