第三章「氷河のように冷たく」

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絶えなく出現するゴブリンの群れに、アレンとドランは恐怖を憶えた。 「ちっ...面倒だな...」バシュッ キリは腕から、氷状の結晶を出した。 結晶は割れ、中から狐が出てくる。 狐は黒のシルクハットにコート姿、更には腰にレイピアらしきものを括り付けた高貴な姿で現れた。 「時間がねぇからな、とっとと決めるぞ」 と、キリが命令すると、狐はレイピアを構え、獲物を追う獣のような鋭い目付きへと豹変した。 「夜行連撃(やこうれんげき)!!」 キリが叫ぶと、今にも襲い掛かるゴブリン達(ざっと20数匹)が真っ二つに切り落とされた。 「ファッ!?」 思わず奇天烈な声を出してしまうアレン。 夜行連撃と称されたその一撃は、ゴブリンの群れを一瞬で全滅させたのだ。
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