第三章「氷河のように冷たく」

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キリ「・・・お前は何を考えている?任務に犠牲は付き物だ。犠牲を払わずに成せる平和などない。」 キリの言う事は最もだ。 逆に言えば、ドラン一匹の為に、任務を放り出すのも自己中心的な行動だ。 キリ「・・・進め、前を向け。一度歩み出したら後ろには戻るな。」 キリの冷たくも、真っ当な言葉に再び立ち上がった。 アレン「・・・ドラン、もう一分張りできるか?」 ドラン「ゴゥウウウ...」 ドランは眼つきを鋭くさせた。 全く、自分よりもドランは何倍も強いな。 すると、キリが左手に草を持って渡してきた。 キリ「薬草だ、本当にヤバくなったらそれを使え。」 僅かな気遣いに少し心が温かくなる。
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