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日曜日のディナータイム。ほぼ満席の店内は、賑やかな談笑に包まれているのに、このテーブルだけが通夜の席のようだ。
その後はデザートまで、ほぼ無言で黙々と二人で食べた。
あー、今回もダメだろうな。
そんな予感だけを残し、駅で35歳のアニオタさんとは別れた。
「それでね、八森さん。先週の三上さんだけど」
スマホ越しに聞こえていた柔らかい声は、一旦そこで途切れた。
それだけで栞にはもう、次に相手が紡ぐ言葉がわかってしまった。
「ダメだったんですね」
自分から先に、結果を予想し、声に出すと、相手は少しほっとしたように、短く小さく呼吸を吐き出した。
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