彼女の魔術

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 アミルとハンス、言われた通り後片付けを終えるとそのまま家を出ると、高台の上に建っているだけでも高い家の屋根にハシゴで二人して登った。 「こんなに話したのは久しぶりだな。仕事ばっかりだったし、アミルはこれからどうするの?」 「、、、、、、決めてないけど、もし逃げ切れたら昔住んでいた森に帰ろうと思ってる」  まるで逃げ切れない事は解っているとでも言いたげなアミルだったが、町を俯瞰しながら髪を靡か風を心地よさ気に感じている姿は、絶望している様にはとても見えなかった。 「そうか、だったら早くこの町から逃げて森を目指さないとね。本当はもう少し」 「もう少し?」  言葉を濁した。その先は言わないでおこうとハンスは心に決めた。暫くすると話す事も無くなったので降りようかと思っていたその時だった。 「探鉱で働くのは嫌じゃない?お金が居るのは何となく解るんだけど」 「大丈夫。父さんを本当は定期的に医者に見せたいんだけど、食べるのがやっとだから、それに無理言って働かせて貰ってるから」
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