第3話 一か月ぶりの運転

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第3話 一か月ぶりの運転

 今日は久しぶりの運転だ。上空に星が揺らめく駐車場で、トラックを停める。荷物が詰まて行く。  荷主さんの工場まで、空いた道をトラックが走り抜ける。  工場に着く、とコンピューターが無人で判断してゲートが上がった。  クレーンで荷台の荷物が下ろされる。先輩方によると、昔は運転手が自分で、荷物を載せ降ろししていたそうだ。楽な時代になった。  ナビゲーションシステムには、依頼を受けた会社を入力するだけ。トラックは目的地に走り出した。  朝焼けが美しい。この先は反対車線に高速道路の出口がある。  高速道路から降りた時は、スピードの感覚がおかしくなる。気をつければならない場所だ。  右カーブに差しかかった時、対向車線のトラックがセンターラインをはみ出してきた。  私の前に飛び出してくる。私は反射的にブレーキかけ、前輪タイヤを左に切る。  しかし、間にあわなかった。視界が何度も回転して気分が悪い。  正面からぶつかったのだ。  私のトラックの緊急ブレーキは作動済みだ。停車したのはGPSで分かる 火災になると危険だ。また万が一にも、誰かを巻き添えにできない。急いで電話で一一九番に通報する。
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