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「なんだって? 時間強盗?」
聞いたこともない罪だ。いくら子供とはいえ、見ず知らずの僕を巻きこんで警察ごっこはやめてもらいたい。僕は少しだけ腹が立って立ち上がると、蛍さんを叱りつけることにした。
「君、大人をからかうのはやめなさい。警察ごっこはお友達とやるもんだ」
「からかってなどいません。そうですね……人間のあなたをなんの説明もなく逮捕――というのは少々荒いかもしれません。わかりました、状況を説明しましょう」
どうやら蛍さんは警察ごっこをやめる気はないらしい。僕はため息を吐くと、もう少し彼女に付き合ってやることにした。どうせ夜まで心穏やかではいられないのだ、子供と遊んで時間をつぶすくらいでちょうどいいかもしれない。
「いいよ、話を聞かせてもらおう。冤罪かもしれないだろう?」
僕はベンチにもう一度腰かける。蛍さんは僕の前に立ったままだが、背の高さからして、話すのにちょうどいい距離感になる。
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