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あの受付の人、ソラさんって人。
あの人とリュウくんは、ただの友達とかじゃないってみているだけでわかった。
だから、ふたりの雰囲気を見た瞬間、その場に留まるなんてできなくて、走り出していた。
「ちょっと!」
走り出してすぐ、ぐいっと後ろに引っ張られる。
「は、離して下さい.......」
あたしは、この人のことなんか知らない。
あたしじゃない女の人と一緒にいるこの人なんか知らない。
「なんで、離さなきゃならないの?俺は聞きたいことがあるんだけど」
そのまま手を引っ張られて、彼の方を向かされて、雨の当たらない軒下に連れていかれる。
「はるちゃん」
いつもと同じように呼ばれて、とくんと胸が高鳴る。
「.......呼ばないで、呼ばないでよ」
他の人がいるくせに、あたしのことそんな優しい目をして見ないでよ。
「なんで?俺ははるちゃんに会えて嬉しいよ。やっと普通に会えた」
「.......っ、彼女に悪いから、やめようよ」
こんなの、彼女が気にするに決まっている。
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