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「彼女.......?俺にはそんなのいないんだけど.......?」
リュウくんが怪訝な顔になる。
「え?だって、さっきのあの人.......」
「あぁ、ソラ?あれは双子の妹だよ。そんなふうに見えた?」
可笑しそうに笑うリュウくん。
「ところで、なんでここに来たの?」
「チケットをもらって.......そこにルルが映ってたから」
「へー、チケット.......。それで、俺がいるかもって思ってくれたの?」
リュウくんの言葉にこくんと頷く。
「なんだ、それ。可愛いな。なぁ、俺じ気持ちだって思ってもいいのかな?」
「あの手紙の最後に書いてたことが本当なら.......」
あの手紙で気付かされた、自分の気持ち。
「毎日15分間しか会えなかったけど、個展を開こうって思わせてくれたのもぜんぶはるちゃんなんだよ。大好きだよ」
そう言って、あたしのことをぎゅっとだきしめてくれた。
「リュウくんが、大好き」
リュウくんの背中にぎゅっとしがみつく。
毎日午後3時。
あの場所であっていたあたし達は、今日からは違う場所で。
「明日も午後3時に来るね」
そう、毎日約束するのだろう。
-Fin-
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