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あたしには、午後3時に毎日いく場所がある。
午後3時。おやつの時間。
お菓子と紅茶をもって、その場所に行けばチャリーンと鈴を鳴らしてその子は現れる。
「はるちゃん、今日も来てくれたんだね」
ニコッと笑って、あたしに手を伸ばしてくる男の子。
「リュウくん、はい、お菓子。ルルおいて」
リュウくんにお菓子を渡して、それと交換に黒い子猫のルルがあたしの手にやってくる。
あたしとリュウくんの出会いはほんの3ヶ月まえ。
午後3時に初めてここを通りかかったときのこと。
ちょうど学校と家との間にある駄菓子屋の裏の空き地。
猫の鳴き声がするなって、入り込んでみた空き地にリュウくんとルルがいた。
「今日は、なんか嫌なことあった?」
「うーん.......毎日変わらないよ」
あたしは学校生活が上手くいっていない。
友達どころか話せる人すらいない。
「そっか。俺と一緒だ」
こうして、リュウくんとは毎日お互いの愚痴を言い合うんだ。
「リュウくんは、どうして毎日ここにいるの?リュウくん大人だよね?」
見た目は、あたしよりも5歳くらい上だろう。
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