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「俺はきっと、もっと早くこうして言ってあげるべきだったんだ」
「リュウくん.......?」
「はるちゃんをいつまでもここに来させちゃダメだって.......分かってたのに、俺が楽しくてごめん」
あたしに向かって頭を下げてくるリュウくんにわけがわからなくて頭がこんがらがってきてしまう。
「リュウくん、どうしちゃったの.......?」
つい昨日まで、そんな様子全然なかったのに。
「あたし、なんか気に触るようなこと言った?」
「ううん。そうじゃないんだ。ほら、15時15分になる。ここから出たらきっと、生涯の友達に会えるよ」
時計をみて、あたしからルルを受け取って「行け」とあたしの背中を押す。
「う、うん。また明日.......ね?」
あたしは、リュウくんに手を振って、走って駄菓子屋の横を突っ切る。
あたしがここでリュウくんに会えるのは、午後3時から15分までの15分間だけ。
どうして、この間だけなのか聞いたけど「俺にもわからない」なんて言われてしまった。
それ以上いさせてもらったことがない。
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