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「あれ、庄司(しょうじ)さん?」
駄菓子屋の横から道路に出ると同じ制服を身にまとったふたりが立っていた。
「笹本(ささもと)さんと安室(あむろ)さん?」
「庄司さん!あたし達の名前、覚えてくれてたんだ!」
笹本さんが感激したような声をあげる。
「まぁ、クラスの子の名前くらいは.......」
あたしはどれだけ他人に興味がないように映っていたのだろうか。
「あたし、庄司さんと話して見たかったんだよね!」
目を輝かせてあたしの手を握る笹本さん。
「おい、杏(あんず)そんなグイグイいったら引かれるって」
隣で黙っていた安室さんが呆れたような顔になる。
「しゅーちゃん、別にいいでしょー。ね?仲良くしようよ!」
「あたしで良ければ.......ぜひ」
半ば笹本さんの勢いに押される形で頷いていた。
でも、声をかけてくれたことがすごく嬉しかった。
── ここから出たらきっと、生涯の友達に会えるよ
さっきのリュウくんの言葉が頭に残っている。
リュウくんが言っていたのは、ふたりのこと?
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