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──はるちゃんと初めてあったあの日から、午後3時になると俺の体は勝手にこの場所にいたんだ。
どこにいても15分間だけはこの場所にいた。
最初はこの変な現象をどうにかしたいって思ってたけど、いつしかはるちゃんといる15分間を楽しんでいる自分がいて.......。
はるちゃんにお別れの言葉を言わないとこの現象はなくならないってなんとなく分かっていたんだけど、それが言えなくてここまで引っ張ってしまってごめん。
俺も君ももう大丈夫。
きっと、幸せな未来が待ってるから。
元気でね。俺ははるちゃんのこと、大好きでした。リュウ
リュウくんからの手紙の上に、ポタポタっと水滴が落ちる。
「バカ.......あたしだって大好きだったよ」
たった3ヶ月。
毎日たった15分間。
それだけだけど、毎日リュウくんに会ってお互いの話をして。
リュウくんのことを好きにならないなんて無理だった。
「もう、会えないなんて、そんなの嫌だよ」
どこにいるかも分からない。
そんな、リュウくんを探すためにあたしはそこから走り出した。
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