毎日15分間、君とあの場所で

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「あれ、はるがまたここからでてきたぞ」 走り出すと、今日も出くわすふたり。 「杏ちゃん、しゅーちゃん」 昨日あれから、ふたりと話して、今日は学校でもずっと一緒にいてくれたふたり。 このふたりとの出会いは、リュウくんがくれたものだとおもって、大切したいと思ってる。 「はるちゃん、ここになにかあるの?」 「うん、猫が.......」 「へー!猫か!はるちゃん猫が好きならこれあげるよ!」 杏ちゃんが、一枚のチケットをあたしの手に乗せる。 「おい、それあげたらお前兄貴に怒られんじゃねーの」 しゅーちゃんがまた呆れたような顔になる。 「だって猫好きな子にあげたほうがいいじゃん。お兄ちゃんは猫好きでもあたしは普通だもん!」 「これ、杏の兄貴の個展なんだ。こいつの兄貴、カメラマンなんだよ」 あたしが戸惑っていることに気づいたんだろう。 しゅーちゃんがチケットについて説明してくれる。 「へぇ.......カメラマンかぁ.......すご.......」 チケットに映る写真を見て、言葉が途中で止まってしまった。
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