毎日15分間、君とあの場所で

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「.......はる?」 しゅーちゃんが不思議そうにあたしをみる。 「これ.......ルル.......?」 「え!?はるちゃん、うちの猫が知ってるの!?」 杏ちゃんの目が大きく見開かれる。 「うちの、猫?」 「うん!ルルはウチで飼ってる猫だよ!」 「.......え?」 あたしはさっきまでいた駄菓子屋の後ろに走っていく。 けど、そこには、もうルルはいない。 「はるちゃん?どうしたの?」 心配そうな顔をして、あたしの後をついてくる杏ちゃん。 「ううん、なんでもない.......ルルってこの辺散歩したりする?」 「え?まさかぁ。だって、あたしの家、ここから5駅もあるんだよ?」 猫の足でここまで来られるわけが無い。 だったら、あたしが今まであっていたルルはどこの猫なんだろう。 似ているだけ? にしては、名前も一緒だなんてただの偶然には思えない。 「ルルに会いたいなら、ここに行ったら会えるよー。今日はお休みだけどね」 個展のチケットをさす杏ちゃん。 「ありがとう、明日行ってみるよ」
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