17人が本棚に入れています
本棚に追加
会員登録
いつも変わらない朝。
教室に入ると拡がっている、いつもと同じ光景。
「おはよう」
「おーっす」
「今日サツカ遅刻だって」
「いつもじゃん」「ねー英語の宿題やってきた?」
夏服の白い波の合間から、ルネが、おずおずと笑いかけてきた。
「おはよう、シオン」
ルネとそれからちょっと話しながら、手が何気なく自分の左耳たぶに触れてしまう、耳の裏には、控えめにかちりと『イヤーエイク』が装着されていて、それが固いケシ粒のように指の先に当たる。
いろいろあった、これを付けてから。
最初のコメントを投稿しよう!