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三
Lleshiは多趣味なようで、戦場に毎日は現れない。
そんな日は普通にチームに貢献していたが、Lleshiがいない日は、なんかつまんねーな。
けど今日は、休日なのにリアルLleshiと共に行動している。
俺は地元の同人誌即売会場で、久しぶりに女装をしていた。
せっかく似合うんだからやんないのももったいない。
文化祭のときは相方は同じクラスの腐女子だったが今日は宮町が相方、ブロッククラウンのナンパな騎士のコスプレをしていた。
「藤松先輩、声出さなければ完璧女の子ですね!」
そんなこと言われても、嬉しいような嬉しくないような。
「ならおまえ、俺のかわりにしゃべってよ」
「了解です。写真撮らせてくださいって言われたら、『いいですよ! ありがとうございます☆』って言いますね」
セリフがすげーアニメ声になって、俺は思わず吹き出した。
「じゃあ俺はおまえが声かけられたらかわりに返事するか。『いいですよ。ありがとう、お嬢さん』って」
できる限りナンパな優男声で言ってみたら、
「わぁすごくいい! あとで今の声録音させて下さいよ!」
と、やたらテンション上げてきた。
ちょっと嬉しいし、だいぶ楽しいんだけど。
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