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四
彼女にするなら宮町みたいに難しくないヤツがいいらしい。
彼女かぁ。
いたらいいなとは思うけど、俺は俺より小さくて可愛い系の女の子がいい。
そうじゃないと、たぶん釣り合わない。
でもきっとそういう女の子ってそれこそ難しいんだろう、想像だけど。
即売会場を出て最寄駅に徒歩で向かう。
昼メシどうするか聞いたら、宮町はコンビニでパンでも買うかと言ってくる。
男女で出かけてんのに気取らなさすぎじゃね?
コンビニでパンなんていつでも食えるから、駅前でファーストフード店に入った。
セットメニューを買って席に着く。
ワインレッドのパーカー着てボーイッシュな宮町は、やっぱり彼女って感じがしない。
あのさ、この調子でこいつとつるんでたら、既成事実で俺ら付き合ってることにならないか?
森下くんは真面目に言ってたのかふざけてたのかわかんないけど、最後まで宮町をおれの彼女扱いしてきた。
「おまえ本気で俺の彼女になる気なの?」
たずねると、セットメニューを前に機嫌良さそうだった宮町は、急にテンションを下げた。
「彼女になりたいのでは、ないですね」
……はい?
俺に彼氏になれとかデートしろとか言っといて、彼女になりたいわけじゃないだと?
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