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太陽に挑んだイカロスは地へと堕ちる。それは運命に叛きし神罰なのか?
我は考える。時にラビュリントスの虜囚に甘んじようとも、機を急ぐべきでは無いと。
蝋の翼で得る自由など幻想に過ぎず、神ならざる人が見る夢は、かくも儚く、輝けし青の向こうのへーリオスは遥か遠い。
燦々と輝く太陽は、無慈悲とも言えよう殺人的な熱波と光線を地上へと放ち、それをまともに浴びるプレハブ小屋の中は、煉獄と例えるにはピッタリだった。
《え~。今日の作業は昨日に引き続き、伐倒と伐根になりま~す。
伐倒隊は夢見岳のエリアで、伐根隊は夢枕登山道を片付けた後、伐倒隊に合流してね~。
え~。今日の朝会の担当は誰だっけ?》
煉獄の頭領…では無く、現場監督の原口正太が笑顔で言うと、ここに集いし全員の視線が俺=月ノ川春夜へとぶっ刺さる。
《うんうん~。今日は月ノ川クンだったか~。じゃあよろしくね~》
熱気ムンムン立ち込めるプレハブ小屋の中、殺人的な暑さにより、半ばゾンビと化したみんなの言いたい事は解ってる。
《おれ達を煉獄から連れだしてくれ。
一刻も早く。光より早く。風の無いここから、微かながらも風が流るる現場へと…Right Now!!!》
みんなの魂の叫びはちゃんと俺が受け取った。頭では無く魂の奥深い所で。
魂が生み出す叫びにも似た言葉、それは詩。俺はただみんなが紡いだ詩を代弁するだけだと、錆びっ錆びなパイプ椅子から立ち上がって口を開いた。
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