47人が本棚に入れています
本棚に追加
/9ページ
三時の情事
お昼休み、身も心もボロボロ状態で休憩室にたどり着き、丸椅子に腰掛けるなりテーブルに突っ伏す。はぁーーーー、営業三課に転属になって約10日、ほぼ毎日こんな感じ。
私、藤崎朋美が勤めるタクボ建設は一代で会社を築いたワンマン、田久保社長が率いる建設会社。中規模の会社ながら、業績はうなぎ上り。中でも私がアシスタントを勤める営業三課は若手エースばかりが集められた、言わば精鋭部隊。そんなこんなで結構忙しい。今までいた営業一課の冴えないおじさんコンビのアシスタントをしていた時とは雲泥の差。
転属からたったの10日しか経っていないだなんて、信じられない。なんかこう、もっと長い時間を過ごした気がする。まあそう感じる位、怒涛の毎日だと言うことなのかも。
「あらっ、お疲れみたいだねぇ~。」
そう言いながら向かいの席に座ったのは、同期の千花ちゃん。経理部所属のしっかり者、黒髪ロングストレートがトレードマークの美人さん。
「その後どう?まだ嫌がらせされてる?」
そう言って千花ちゃんの隣に座ったのは、こちらも同期の凛々ちゃん。設計部のアイドル的存在、色白のお肌にフワフワの栗色の髪、ガーリーな服を着こなすカワイイ系。だけど中身はバリバリ働く建築士だからギャップ萌しちゃう。
千花ちゃんと凛々ちゃんが心配してくれている“嫌がらせ”.....。
10日前の異動は、ナント、その日の朝に決められ即異動という、とんでもないモノだった。前任の美女、美間穂香さんの授かり婚による急な退職の為だったんだけど...。
最初のコメントを投稿しよう!