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一瞬のことに対応できず、女性と同じように床に倒れ込んでいた。呼吸することのできない苦痛に、眉間に皺を寄せながら人影を見上げる。
窓の外で雲が流れたのだろう。月の白さが部屋の中で強くなり、その人物の姿がはっきりと見える。
とても小柄な女性だ。見た目はとても若い。
十代の半ばという所だろうか。無表情に椎名のことを見下ろしている。大きな双眸は冷たく、長い睫毛がより大きく見せていた。化粧をしていないものの、とても整っている。
兵士が身に纏うような黒い戦闘服を着込んでいた。
……椎名の意識はそこで途絶えた。
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