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まだ「君」は気づいていない。
走ってきてあがっていた呼吸を整え、乱れた髪を簡単に直す。
よく考えてみれば、服も靴もメイクも、今日のためにとっておいたのかもしれないという気がする。
だって今日の私は完璧だ。きらきらだって味方につけているし、メイクもうまくいった。
あと三つ数えたら「君」に声をかけよう。
三……
「君」はどんな顔をするだろう?
二……
「君」は似合うと言ってくれるかな?
一……
「君」は――――
「お待たせ!」
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