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アカリは歯茎が見えるほどの笑顔を送ってくる。
実を言うと、試験当日は熱が出ていて、朦朧とした意識の中で問題を解いた。だから受かっている自信はなかった。
だけど、心配させたくなくて、アカリには言ってない。
もし、自分だけ不合格でも、アカリのことだけはお祝いしてあげよう。そう思ってこの場に来た。
「あ、あれそうじゃない?」
アカリの指さす方向に、事務員の人達が筒状に丸めた紙をいくつも抱えてやってきた。
周囲の人もその存在に気が付き、ザワザワとした雰囲気が広がっていった。
ドキドキしながら、その行方を見守る。
右から順番に事務員の人達が貼りだしていく。
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