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『咲良〜!
行くよー!』
友達とお弁当を食べている私を見つけて
教室前方のドアから 大きな声で呼ぶのは
隣のクラスの 吉川 羽奈。
手に持っているファイルをパタパタさせてる。
んん?あれは。
『…あ!委員会って 今日だった?!』
『忘れてたんかい!(笑)。』
あーー。全部食べたかったけど……
はーやーくー!って顔をしている羽奈と
半分ほど残っているお弁当を見比べた。
はぁ。しょうがない。
私は、最後に残しておいた大好きな玉子焼きを
ポイッと口にいれ
残りは諦めて お弁当箱の 蓋を閉めた。
『もー、遅いよー。
今日は 6時限後、完全下校だから
お昼休みしか作業出来ないから
早く集合って言われたじゃん!』
『ゴメンゴメン。
でもさー。
部活もないとか テンション下がる。』
『だね。
私、今日、咲良の実家行くよ?
一緒に 行く?(笑)。』
『やだー。
帰って 楽器磨く。』
あ! 申し遅れました。
私、向井 咲良(15歳)
県立風高校1年生。
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