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『郁ちゃんって 神なの?(笑)。
その日は 深く聞かずに居てくれて
それから?』
『日曜日の朝も
お父さんからも お母さんからも
特に 土曜日のことは 触れられなくて。
お母さんが
「仕事で使うものを買いに
ショッピングモールに行くんだけど、
一緒に行く?」って誘ってくれて
2人でお出かけしたの。
2人で車に乗って直ぐにね、
「私の用事はすぐに終わるから、
お父さんのプレゼント一緒に選ぼう。
あ、プレゼントは傘って決まってるの。
どんな柄が良いかなー♪︎咲良が選んでね♡」って
すっごい嬉しそうに言うのよ。』
『あはは。可愛いなー。』
『なんかもー、いつも通りすぎて。
私も めっちゃ普通にお出かけを楽しんでて。
帰って、お父さんにプレゼント渡して
どこどこ行ってきたよーって話してる時ね。
お母さんは ちょっと仕事の電話が入って
自分の部屋にいったの。
お父さんに
お昼は ラーメン食べたーって続きを話したら
「郁ちゃん、昨日の夜も食べたのに?(笑)」って
すっごい笑うの。』
「え、昨日って
予約してたお店じゃなかったの?」
「それは咲良も行ける時にって
とっくに キャンセルしてあったから。
昨夜は、オレの仕事が遅くなって連絡したら
郁ちゃんは ちょうどその時駅まで
ケーキを受け取りに来てるって言うから
合流して ラーメン食べて帰ってきた。」
「えー。
……あのお店行ってきたんだと思ってた。」
「次、再来月の郁ちゃんの誕生日は
そこにしようか?」
「うん。」
うんうん。そかそか。って
私の話を聞いてくれていた 羽奈は
ちょっと眉間にシワを寄せて 言った。
『んー。
……これさー、
試験明けも同じような状態だったよね。
また 謝れなかったの?』
羽奈の言う通り。
お父さんも お母さんも
私に気を使ってるって 思わせない最大限の所まで
気を使ってくれてるって 思う。
私はそれに甘えて
何も無かったみたいにしてる。
『だってーー。
私から 蒸し返して謝る雰囲気じゃないんだもん。
でも ちゃんと謝るよ!
……謝って、
ママに言われたこととかも聞いて欲しいし
ママの怒った顔を見て 色々思い出したのが
事実なのか 聞きたい。
それから、
もうママに誘われても行きたくない……。って言いたいんだけど、良いと思う?』
『うんうん。
ちゃんと話すのが良いと思う!
だって 咲良の両親は
しっかり聞いてくれる人達なんだから。』
それから 羽奈は
「聞いてもいいのかな?」って雰囲気を出しながら
「本当のお母さんの 何を 思い出したの?
イヤなこと?」と 遠慮がちに 言った。
『んー、
ママが 私のこと嫌いだったの思い出した感じ。』
……それでも。
私まで ママの所に 行かないって言うのは
ママが 可哀想かもしれない。
ママが 悲しむかもしれない。
って ちょっと思うんだ。
『あ!それより!今日、羽奈に聞きたかったのは
奈央って チャラい?派手なほう?』
羽奈は 一瞬 止まって
「は?意味わかんないんだけど!
咲良もよく知ってる通り
女子に対しては 結構人見知りで
あんまり チャラくはない、と思うけど。
突然 どしたの?』
『ママを待ってる時、
奈央が通りかかって
一緒に待ってくれてたんだけど
そこに来たママが……。』
『あー、奈央がチャラそうに見えたって?』
『うー、ごめん。』
『いま、謝る時じゃないわ(笑)。』
……そりゃー、咲良と2人でいる時の奈央はねぇ。
咲良のママからみれば
チャラいっていうか、イチャついて見えたのかな。
『え、ママと揉めたのって
奈央のそれ、関係ある?』
『んー、あるような、ないような(笑)。』
わらって誤魔化す私に
羽奈は
「親って子どもの男女関係に
潔癖っぽいトコ、あるよね。」と察して
ため息をついて笑わせてくれた。
うん。いっぱい聞いてもらって
頑張れそうな気がしてきた。
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