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その日、帰宅してすぐに お父さんとお母さんから ママの写真の在処を 教えられた。 『え、なんで? ……お祖母ちゃんが 何か言ってた?』 『お義母さんから 咲良が 見たがってたよって連絡があったよ。 そんなこと遠慮しないで 』 『違う!写真が見たかったわけじゃない! お母さんこそ、私に遠慮してるじゃん!』 『どんなこと?』 『……この前、 私がラーメン食べたいって言ったら 前の日も食べたのに 黙ってたじゃん。』 『それは遠慮してるんじゃないし 言えなかったとかじゃないよ? ラーメン好きだもん。 ホントに食べたくなかったら ラーメンは今度でもいい?って聞くよ(笑)。』 ……その場面を思い浮かべると お母さん、そう言いそうって 納得。 お父さんも お母さんも 「何かと思えばそんなことかぁ。」って笑ってる。 その穏やかな雰囲気に 気がつけば ここ数日、 ずっと溜め込んでいた言葉が口から出ていた。 ママに奈央のことを こんなふうに言われた。 すごく腹が立って怒りながら帰ってくる途中、 ママが小さい時私に言った事を思い出した。 私、嫌われてたんだった。って。 お父さんが 「それは違う。」って言った。 『違わない! 今日、お祖母ちゃんにも確認してきたもん! 私が熱出した時とか、お迎えに来てたのは お祖母ちゃんだよね?って聞いたら そうだって。 これ、すっごい覚えてる。 お祖母ちゃん、大変なのに 抱っこして連れて帰ってくれた。 ……私、もう ママの所に 行かないから。』 お父さんも お母さんも何も言わず、 私が興奮して捲し立てるのを聞いていた。 もうママの所に行かないって宣言して スッキリ。 のはずなのに モヤモヤするのは どうしてだろう。 お父さんと お母さんが 何か言いたそうだけど 何も言わなかったのは どうしてだろう。 ……ママの所に行く方が良いって思ってるのかな。 こんなとき、血が繋がったホントの母娘なら その場で なんでも聞けるのかな。 ぼんやりと そんなことを考えて それが 私と お母さんは ホントの母娘じゃないって主張されてるようで とても悲しくなった。
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