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気持ちを落ち着けるために 少し時間が必要だった。 大きく息を吸い 深呼吸をする。 ……考えちゃダメ。 さっきのお祖母ちゃんの言葉を考えちゃうと 乱された気持ちが戻らないから。 っていうか、着替えて降りなきゃダメかな。 もうこのまま ここに居たい。 呼ばれたら、降りようかな。 床に座り、ベッドに もたれ ぼぅっとしていると ドアをノックされた。 『(めし) 行こうって 言ってるけど。』 呼びに来たのは お父さんだった。 私は 少しだけドアを開けて お父さんだけなのを 確認してから 言った。 『寝てるって 言ってみて。』 チラッと 見上げると お父さんは ふっと 笑い 私の頭に手を置いた。 『了解。 さっき、嫌なこと言われたな。ゴメン。』 お父さんの大きな手で 頭をヨシヨシされて ホッとするのと 気恥ずかしいのと 半分半分。 『ホントだよ。 お祖母ちゃんの いつもママの悪口言うところ、キライ。』 お父さんは お祖母ちゃんが 私に ママのことを悪く言ってたのを 全然 知らなかったって顔。 そっか。 そういわれれば お父さん達がいる時は お祖母ちゃん、そういう話 しないなぁ。 お父さんは 今まで お祖母ちゃんが どんな事を言ってたのかを尋ねるけど…。 言って良いものなのか。 ……ママのこと、悪く言われてるって お父さんは知らなかったってことだよね。 知ったら 悲しむ? それとも 怒る? まさかの 共感?
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