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掃除中、手を動かしながら お父さんと お話タイム。 『お母さんから入院の連絡があったときね、 今日、検診の日だったんだけど このまま入院って言われちゃって。 って言うから すぐ行くって言ったんだー。 そしたらお母さん、 自分のことより 私のご飯の心配してたんだよ? お父さんが出張でいないから おばあちゃん()に泊まるのはどう?とか。 ご飯なんて何とでもなるのに!』 『想像できる(笑)。 うん。 郁ちゃんは 人のことばっかり心配して 自分のことは後回しだからな。 オレにも  “全然大丈夫なんだけどちょっと入院になった。帰ってこなくて大丈夫。” “出張中なのに家を空けることになって ごめんなさい。”って。 折り返しの電話で、出張は他に任せて帰らせてもらえそうって言ったら、拒否された。』 『でも お母さん、不安なんだよね? 今日、あかねっちが言ってた。』 『どんなこと言ってた?』 『高齢出産とか。』 『あー、そっちか。 まぁ そうか。』 ぼそっと  そっちかって呟いたのが気になる。 「そっちって?どっち?」 聞いてみたけど ごまかされた。 『咲良も協力してな。』 『うん!あたりまえ! あ!ねえ、今日、 あかねっちにおめでとうって言われたとき なんで?って言ったのは 単純に  私がおめでとうって言われる意味がわかんなかっただけで、 反抗とか やさぐれてるとかじゃないからね?』 『うん(笑)。』 『笑ってるけど! これ、言っとかなきゃ!って思ってたの! ……嬉しいし、楽しみ。ほんとに。 イヤだとか ショックとか  まったく 1ミリもないからね。』 『わかってる。 今日な、茜さんに 咲良と2人で話して 郁ちゃんが育ててるんだって ヒシヒシ感じたって言われて 中身が似てきたって話、してたんだ。 最近、咲良と話してると 咲良と郁ちゃん、 言うことがそっくりだなって時がある。』 『え、ホント? 自分ではわかんない。』 『話し方、受け答えとか 考え方とかな。 もともとは  割と反対な面も多かったんだけどなー。 一緒に居ると似てくるんだな。』 嬉しそうに笑うお父さん。 なんか……嬉しいな。 『そういえばさぁ、お父さんとお母さん。 この前 なんでケンカしてたの?』 『まーいーじゃん。 』 『良くない。 理由もわかんないし、 聞いても教えてくれないし 私だけ仲間はずれにされてる気分だった。』   泣き落とし発動。 ……お父さんにしか通用しないから 今日聞きださなきゃ。 鼻を啜って シクシク感をだすと お父さんが 焦って 謝ってきた。 もう 一押(ひとお)し。 『……教えてくれないなら家出するから。』
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