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『どうして私が嫌だって言うと思うの?
お父さんも そう思ってた?』
『正直……
そういう可能性もあると思ってた。』
『なんでそう思うの?
私のためって言うけど、教えてくれなきゃわかんないよ。』
お父さんは 少し考えて
「咲良は ずっと 真っ直ぐだな。」って
笑った。
『年の差とかさ。
他にもいろいろ、
咲良の気持ちを想像したのは
オレも郁ちゃんも一緒だと思う。』
『それって……
2人とも……
私が壁ってことだよね?』
『というか、再婚する前に
子どもは咲良1人って
結論がでてたのもあるんだ。
だから郁ちゃんは
喜びよりも どうしようって困惑とか
罪悪感とか……そっちを先に感じたんだろう。
でも、今回も 郁ちゃんの背中を押したのは
間違いなく咲良だよ。
ありがとう。』
『今回も?』
『籍をいれた時も。覚えてないか。』
『あれ、
お父さんが倒れたのが きっかけでしょ?』
『んー、それよりも
咲良の一言のほうが効いたんだけどな。
あの頃な。郁ちゃんは 入籍は
咲良が成人してからとか
咲良が結婚してからにしよう。
って言い続けてたんだ。
あのときも 頑なだったな。』
そうだそうだって
思い出して 可笑しそうに笑うお父さん。
私自身、何を聞きたいのか
何を言いたいのか 全然わからなくて
なんとなく 話は終わってしまった。
あー、眠れない。
ベッドに入っても
気持ちがモヤモヤしたまま
目が冴えてる。
スマホを手に取り
LINE……
羽奈?
んー。心配かけちゃう。
それに羽奈は夜はちゃんと寝るタイプ。
もう寝てるだろうなー。
……奈央に聞いてもらおうかな。
夜更かししてそうだし。
スタンプから始めようとしたけど
送信のボタンを押せなくて。
やっぱりやーめた。
がんばって寝る!
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