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奈央にバイバイして 車に乗り込むと あれ。なんか……ママの機嫌が悪い……? 『さっきの子……。』 『奈央?』 『付き合ってる子?』 『え、付き合ってるとかじゃないし。 奈央だよ? ママに話した事あるじゃん。 幼なじみ……って言うのかな。 羽奈と奈央。』 それでも ママは 納得していない顔で 不機嫌オーラが 出ていた。 今日は部活だったの?なんて その時、話題を変えたのはママなのに マンションに到着して中に入ると、 私が荷物を下ろすより先に ママは ため息と一緒に 不満を口にした。 『やっぱりちゃんと言っとかなきゃ。 咲良、ああいう派手な子が好みなの?』 『だから!違うって!』 『隠すような付き合い方してるの? 何かあった時に傷つくのは女の方なの。』 『なんなの? 奈央は そういうんじゃない。 っていうか、見た目で判断するとか最低。 いやらしい目で見てるのはママじゃん。 ずっと放ったらかしだったのに こんな時だけ 親みたいなこと言わないでよ! お母さんだったら、絶対そんなこと言わない!』 私は そのまま マンションを飛び出した。 ……なんでこんなに悔しくて悲しいんだろう。 たまにしか会わないママに 何がわかるの? 奈央のこと、派手だなんて 思ったこともなかった。 奈央(ともだち)を悪く言われたことも ものすごく腹立たしい。 それに……ママに会うの久しぶりで 私は 少なからず楽しみにしてたのに。 ぐちゃぐちゃな気持ちで電車に乗り 自宅を目指す中で、 自分の言った言葉を思い返した時、 ふと 思い出した。 ……ママは 私のこと、 小さい時も放ったらかしだった。 あーーーー。 嫌なこと、いっぱい思い出しちゃった。 お父さんとお母さんに 聞いて欲しい……。 縋るような気持ちで 帰宅するも 家の中は真っ暗。 しばらくするとお父さんとお母さんが 2人揃って帰ってきた。 手には ホールケーキの箱っぽいものを持ってる。 『あれ?咲良?どうしたの?』 『……2人でどこ行ってたの?』 『今日、お父さんのお誕生日だから』 あ!忘れてた。 でも。 ……2人で お祝いしてきたんだ。 私は、疎外感でいっぱいになり お母さんの言葉を最後まで聞かず 自分の部屋に逃げ、閉じこもった。
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