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あの日、 お祖母ちゃんを送って 帰宅したお父さんに お母さんが その間に 私とお母さんが話した内容を 伝えた。 お父さんからも 離婚直前のことは 別として 私がママに大切に大切にされていたことや 思い出話を してくれた。 なんとなーーく 覚えていることもあったり 初めて聞くこともあったり。 嬉しいんだけどさ……。 『…お母さんの前で こういう話 ヤバくない?』 『全然。なぁ?』 『うん。全然。ヤバくないね〜(笑) 私も 聞けて 楽しい♪』 続けて続けて〜。と お母さんは ホントに聞きたそうに 促す。 この日、3人で 本当に 色んな話をした。 私は その話の中で お父さんも お母さんも 私も それぞれ 色んな気持ちがあるんだなって そんな当たり前のことを 改めて 感じた。 この日の夜、遅くまで3人で話して すごーーく 温かい気持ちになった。 気持ちは元気になったのに 翌朝から 3日間、高熱が続いた。 何度も私の部屋に来て看病してくれるお母さんに 「移るから、来なくて良いよ。」と言うと 「うん、ありがとう。」と笑うだけで 来る回数も減らないし 何も変わらない。 お父さんに それを報告すると 面白そうに 笑う。 『インフルエンザだったら 隔離だけどなぁ。 郁ちゃん、意外と風邪ひかないから 大丈夫だろ。 それに……。』 『それに?』 お父さんは ふっと 目を細めて 笑い 私の頭を撫でながら 「そんなことばっかり考えてたら 熱 下がんないじゃん。 治ってから ゆっくり 話そうな。」と言うと 私の部屋から 出ていった。 あ。そうだ。 熱で ぼーっとする 頭でママにLINEをした。 「このまえ、電話出れなくてゴメン。 風邪ひいちゃって 寝てます。 また 泊まりに行っていい? 治ったら 連絡するー。」 それから 羽奈にも。 まずは体温計の写メ。 羽奈からは ビックリしてるスタンプと まだそんなにあるの!?大丈夫?の言葉。 私からは 大丈夫と メリークリスマスのスタンプ。 熱が下がり 私が すっかり元気になったのは 終業式も クリスマスも 終わり 冬休みに突入してからだった。
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