冬になる頃

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「ねぇ…ここさっきのところより急斜面だよね?」 上までついていくと言った事に凄く後悔する美緒…  「だねぇ。」余裕な顔をする静香が憎らしく思う。 もう足もパンパンで生まれたての小鹿のようにガクガクしていた。 後ろから健斗が追いついて来ていた。 「美緒、ここまで来て大丈夫なん?」 静香と違い心配してくれる。 もう…親ライオンが子ライオンを崖から突き落とすみたいな? そんな静香に悪意があるんじゃないかと思うほど…。 でも、それが静香の愛なんだと美緒は疲れすぎて変なテンションになっていた。 美緒ら急斜面を転びながら、少しずつ降りていく。 なんか、足が痛くて泣きたくなってきた。 それでも、半分くらいまで降りてきていた。 静香と健斗に悪いので 「私、ゆっくり降りから先に行っててー」そう叫ぶと「待ってる」と言う二人を強引に行かせた。 遠くに見えていく二人を眺め大丈夫、大丈夫と心に思いながら美緒は滑りだした。 その時、足がぐらつき あーー! もう、足に力がはいらなくなっていた美緒はコースを外れ木々が並んでいる方に滑りこみ、下の方に落ちていきそうになり転んだ。
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