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「どうしたの?」加奈子が弱々しい声で問う
「俺、前にも伝えたけど加奈子とは一緒にいれない」
「うん、わかる。でも自分には好きな子が出来たから別れたいとか自己中心じゃない?私は1人になるんだよ?」
「ごめん…」
「涼馬が離れていくなら、私…生きている意味がないよ」
「なんでそうなるんだよ」
そんな風に言われれば言われるほど心が悲鳴をあげる。
確かに自分勝手な事だ…
好き、嫌い、付き合う、別れるお互いの気持ちがわかりあって寄り添っていくものではないのか?
涼馬は困惑な想いだけが募っていった。
長い沈黙の後で加奈子は震える声で
「もう、いいよ…でも私は凄く涼馬が好きだった」
あれだけ別れるのが嫌だと言っていた加奈子が納得してくれたのか?
「うん。ごめんな…」
「今までありがとう…」加奈子はそういうと涼馬に抱きついた。
ありがとう…
涼馬もそっと加奈子を包み込んだ。
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