最終章

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 なんで手帳なりメモ紙なり電話番号を書いて残しておかなかったのだろう。電話をかける時はリダイアルを使っていたから番号をはっきりと思い出す事が出来ない。  美緒は落ち込みながらアパートに戻り、暗い部屋にロウソクを灯した。 早めに買ってきた菓子パンをかじるも飲み込めない。  時より余震が短い間隔で起きる。先ほどの地震を思い出し心細くなる。  布団を体に巻き付け暖をとる。部屋が冷えてきて鼻の頭が冷たくなり吸い込む空気がひんやりとする。  テーブルに置いた小さな炎をゆらゆらと揺らしながら灯すロウソクを見つめた。 涼馬……どうか無事でいて…… サーフショップは海岸沿いにあり砂浜の近くにある。 危険を感じて逃げてくれれば、海岸から離れていてくれればと強く願う。 今日、やっと会えると思ったのに、こんな事が起きるなんて……
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