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美緒はロウソクの小さな火が瞳に暖かさを感じながら、これまでの事を箇条書きのように呟く。
涼馬の目尻をくしゃっとさせてこぼれるように笑う笑顔が好き。
いつも優しさが溢れ笑わせてくれた。
でも誰にも優しすぎるところがある。
意外と不器用。
片想いの頃、私のこと想ってくれてるのかな?と気持ちを感じるときがあるのに、好きって言ってくれない涼馬は嫌い。
でも美緒も気持ちを伝えられない自分がもっと嫌いだった。
遠回りを何度も繰り返し、心を焼くように思い焦がれ、切なさに胸が突き上げる。
その全部の想いが雲が流れるように切なさが悲しみに変わらないように必死に美緒はこらえた。
今なら、ちゃんと大好きって言える心が涼馬でいっぱいになり、とめどもなく涙が頬を伝う。
涼馬、生きていて、会いに来て──
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