最終章

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美緒はブルっと寒さを感じて目を覚ました。 まだ薄暗い部屋に少し朝日が差し込んでいた。 今、何時だろう? リビングの時計を見ると5時だった。 寒い…… ベッドに寝ないでテーブルに顔を伏せて寝てしまっていた。 暖房が使えないので、上着を着込み少しでも暖まるよう布団を体に巻き付けた。 涼馬は昨日アパートに来ることはなかった。  早いけど涼馬を探しに行こうと考えて、泣きすぎて重くて開けずらい瞼を昨日買ってきたミネラルウォーターで湿らせ瞼を冷やした。 とりあえず行けるかどうかわからないけど、行けるところまで行こう。  涼馬の家はすぐ側が砂浜である。 被害がありませんように、そう願いながら、どんな状況なのか知るのが1番だと考えた。  準備をして出掛けようとした時、誰かが玄関のドアをトントンと叩いた。 朝、早く誰かな…… もしかして? 急いでドアの方へ駆け寄っていった。 するとまた、トントンと音がする。 スコープから覗いても外が見えない。 そーっとドアを開けて外を見た。
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